まず、私は日本百名山を50座以上達成していますが、それは深田久弥さんの『日本百名山』の本を読んで登ってみたいと思ったからであって、制覇することには全く興味がありません。たとえ日本百名山を制覇したからといって山岳技術がそれほど向上するとは思えないのが一つの理由です。日本百名山に選定されている山のほとんどが登山道や道標がしっかり整備されており、時間と金と体力さえあれば登れるのではないでしょうか。それに難しいバリエーションルートでの山行や新しいルートを自分で開拓するなどしていくような経験を積み重ねていくほうが山岳技術の向上に繋がると登山をしていて常々感じていました。
さて、本題である日本百名山の大峰山について私なりの意見を述べていきます。よく日本百名山挑戦者を含む登山者が行者還トンネル西口からのルートを利用して八経ヶ岳に登って「これで日本百名山である大峰山を登った。これで一座達成した」とかYoutubeの登山動画でも「今日は日本百名山である八経ヶ岳に登りました」などと言ってるのをよく耳にします。しかし、それに対して私は「はぁ?」と思っています。なぜなら深田久弥さんが選定しているのは”大峰山”であり八経ヶ岳とは言ってないからです。その大峰山とは修験者の修行する峰々を総称していて、その中で大普賢岳から行者還岳までの縦走路を描いており、近畿最高峰である八経ヶ岳に登って満足したと書いてあります。山上ヶ岳は女人禁制であるからいいとして、深田久弥さんが言ってる大峰山とは大普賢岳から八経ヶ岳までの山域を指していると捉えることができます。つまり、日本百名山である大峰山は大普賢岳から八経ヶ岳まで縦走してこそ達成したと言えるのではないのかというのが私の意見です。
以前、私が近畿最高峰である八経ヶ岳に登った時に出会った関東から来た日本百名山挑戦者の男性が「まあ標高2000m前後の山なんてこんなもんでしょう」と発言してました。それを聞いた私は心の中で「この人は大峰の魅力なんて全くわかっていない、ちゃんと深田久弥さんの日本百名山の本を読んでないな」と思いました。そもそも行者還トンネル西口からのルートで八経ヶ岳に登っても大峰の魅力なんてわかるわけがありません。それにわざわざ遠方から訪れて大峰山脈という魅力的な山域を日帰りするのは勿体ないと思います。
最後に余談になりますが、日本百名山の八ヶ岳も同じことで深田久弥さんは赤岳とは言っていません。ですから赤岳だけ登って日本百名山の一座を達成したとは言えないにも関わらず日本百名山挑戦者の多くは赤岳だけピストンして一座としています。深田久弥さんが言ってる日本百名山の八ヶ岳とは硫黄岳、横岳、そして赤岳を指していますので、これらの南八ヶ岳を縦走してこそ一座達成となるのではないかというのが私の意見です。
日本百名山に挑戦することを否定はしませんが、ちゃんと深田久弥さんの日本百名山の本を読んでから挑むべきではないかと思います。







