日本各地の山夜景を理論的に評価してみたPart2

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先日、山夜景の評価を理論的に表してまとめてみましたが、他に人気のある夜景スポット(特に関東)はどうなのかという意見があったので選定してまとめてみました。なお、前回の評価と同じで視界は簡単にパノラマ度、つまり視界の広さを示します。迫力は山から市街地までの距離とその角度を示しています。光量は言葉の通りです。特徴とは河川や放射線状(道路のライン)などの美しさを示しています。そして最後の地形ですが、これは夜景全体の形を示しています。それぞれ20段階として総評が合計で100点となるようにしています。今回の結果では、残念ながら100点満点の夜景など日本の山夜景には存在しませんが、高得点のものや有名な夜景スポットを評価してみました。なお、前回も述べましたが特徴や地形の評価に関しては個人的な意見であり、人によってさまざまだと思います。

■ 赤城・鍋割山

赤城・鍋割山
視界:18  迫力:15  光量:17  特徴:12  地形:13  総評:75
赤城山麓にある鍋割山からは群馬県の高崎市や前橋市の夜景を望むことができます。
視界は広くて光量もそれなりにあるのですが、市街地までの距離があるため迫力に劣ります。
特徴的といえば浅間山などの山々が見えるくらいですが、暗くなれば何もみえず、地形的にも面白みがないのが残念なところです。
ここは解放感があって視界の広さと光量を楽しめる夜景といえるでしょう。

■ 武甲山

武甲山
視界:15  迫力:16  光量:12  特徴:18  地形:17  総評:78
標高1300mという高さから秩父市街の夜景を望める武甲山。
角度はあるものの金網が邪魔で迫力は感じられず光量も少ないですが、天の川のような特徴的な夜景を望むことができます。
理論値で総評80点にとどきませんでしたが、特徴的で美しい地形が望める夜景として関東では珍しいといえるでしょう。
私の個人的な意見ですが、関東の山夜景の中で最も美しいのがこの武甲山からの夜景だと思っています。

■ 八王子城跡

八王子城跡
視界:14  迫力:12  光量:14  特徴:12  地形:12  総評:64
登山をしないと望むことのできない夜景スポットになっていますが、東京都では有名な夜景スポットとなっている八王子城跡。
樹林の間から望む感じになるので視界はあまり広くなく、市街地からの距離もあって迫力も劣ります。
特徴としては手前の住宅街からかなり向こう側にスカイツリーや東京タワーがみえるくらいです。
八王子市の住宅街が手前に見えることもあって光量も少なく、地形もあまり美しいとはいえないのが残念なところです。
しかし、東京都で見れる山夜景というのは珍しいこともあって人気があるのでしょう。
ちなみに景信山のほうが視界が広いのですが、市街地からさらに遠くなっているので似たような評価になるでしょう。

■ 菜の花台

菜の花台
視界:16  迫力:15  光量:15  特徴:13  地形:12  総評:71
ヤビツ峠の手前にある菜の花台という展望台からは秦野市や小田原市などの夜景が一望できます。
神奈川県の中でもそれなりに人気のある夜景スポットですが、やはり市街地から遠いので迫力には劣ります。
視界はそれなりに広いのですが、西方面は光量が少なくなっているのが残念なところです。
道路のラインなどの特徴的はあるものの地形は市街地が横に広がっているというだけであまり美しいとは言い難い。
関東の中でも車で簡単にアクセスできる山夜景の一つなのでドライブがてらのデートスポットに向いた夜景といえるでしょう。

■ チェックメイトC.C.

チェックメイトC.C.
視界:15  迫力:14  光量:13  特徴:15  地形:12  総評:69
松田山にあるチェックメイトC.C.というゴルフ場の前のガードレール越しから松田町や小田原市の夜景を望むことができます。
視界はそれなりに広いのですが、角度が微妙な感じで迫力をあまり感じません。
神奈川県でも西側に位置している夜景スポットなので光量もそこまで期待できず、展望地からの見え方も微妙なので地形もあまり美しいとはいえません。
しかし特徴的なのは河川の橋や道路のラインなどが独特で、運がよければ富士山まで望むことができることでしょう。
菜の花台に次ぐ人気で車で手軽に行くことのできるデートスポット向けの夜景といえるでしょう。

■ 朝鮮岩

朝鮮岩
視界:16  迫力:17  光量:14  特徴:17  地形:16  総評:80
広い静岡県でもトップクラスの夜景だといわれる朝鮮岩からは静岡市や運がよければ富士山まで望むことができます。
角度もそれなりにあるので迫力もあって視界もそれなりに広く、高速道路などのラインが特徴的です。
地形もそこまで低い評価ではありませんが、静岡市ということもあって光量はあまりありません。
正面に見える二本の道路のラインが静岡市に向かって伸びていてとてもバランスのいい見え方がします。
運がよければ明け方のトワイライトタイムにとても美しい夜景を望むことができる静岡県トップクラスの夜景といえるでしょう。

■ 権現山

権現山
視界:17  迫力:16  光量:11  特徴:18  地形:18  総評:80
比良山系の南端に位置する権現山からは琵琶湖の湖岸にある市街地の夜景を一望できます。
視界はそれなりに広く、角度もそれなりにあるので迫力は感じることができます。
ただし琵琶湖がすっぽり見える湖岸夜景ということもあって光量はかなり低いです。
しかし、琵琶湖大橋も望むことができて湖岸の夜景が見えるため特徴的で、地形もかなり美しいといえます。
ここはまさに美しい琵琶湖夜景を望むことができる夜景スポットといえるでしょう。

■ 五月山・五月平展望台下

五月山
視界:15  迫力:15  光量:15  特徴:14  地形:13  総評:72
大阪府で有名な夜景スポットになっている五月平展望台下の評価をしてみました。
視界はまあまあ広いのですが、標高が低く角度が微妙なためあまり迫力を感じることはできません。
大阪北部夜景ですが、大阪中心部までは望めるにしても標高が低いので光量がどうしても少なくなってしまいます。
東側に見える道路のラインだけが特徴的ですが、地形的にはただ光が横に広がってるだけの夜景です。
展望地までは暗い公園内を5分ほど歩いていかないといけませんが、デートスポット向きの夜景といえるでしょう。

■ 観音山

観音山
視界:16  迫力:17  光量:16  特徴:16  地形:16  総評:81
私が大阪北部夜景三山の一つと称している西宮市の観音山からは大阪湾から大阪北部の夜景が一望できます。
視界はそれなりに広いのですが、細い岩の上から望まないと全体が見えないのが残念なところです。
少し市街地から離れているものの角度はそれなりにあって迫力を感じる夜景といえます。
宝塚市内や大阪北部ということもあって光量は多少低いのですが、甲山が中心に見えて大阪湾まで見えているのが特徴的。
関東での丹沢の大山と同じような見え方のする夜景ですが、地形のそれなりにいい感じにみえる夜景といえるでしょう。

■ 中山・天宮塚

中山・天宮塚
視界:17  迫力:16  光量:16  特徴:16  地形:15  総評:80
観音山を評価したので私が大阪北部夜景三山の一つと称しているもう一つの中山・天宮塚も評価してみました。
観音山より見栄えはよくて視界もそれなりに広いのですが、市街地から少し遠いので迫力は観音山のほうが上です。
宝塚市から大阪北部の夜景を一望できるのですが、伊丹空港の滑走路から西は武庫川や甲山などの山々を望むことができるのが特徴的。
夜景全体として地形は西側を除くと市街地の光が横に広がっているだけの夜景といえます。
運がよければ冬期の明け方に美しいトワイライトタイム夜景を望むことができるでしょう。

ここで奈良県で新日本三大夜景で有名な若草山と高円山火床からの夜景を評価して比較してみます。

■ 若草山

若草山
視界:17  迫力:14  光量:13  特徴:13  地形:12  総評:69
新日本三大夜景の一つである若草山はかなりの観光客に人気のある夜景スポットになっています。
展望地からは奈良市街の北部から中部にかけて視界の広い夜景を望むことができます。
奈良市街ということもあって光量は少なく、展望地から市街地までの距離もあるため迫力はあまり感じません。
特徴的なのは向かいに見える生駒山ですが、展望地の位置が奈良市街より少しズレているため、地形はあまり美しいとはいえません。
車で手軽に行くことができるのでデートスポットや観光者向けの夜景といえるでしょう。

■ 高円山

高円山
視界:15  迫力:16  光量:13  特徴:15  地形:16  総評:75
新日本三大夜景の一つである若草山の隣に位置する高円山の火床。
ちょうど中心に生駒山と奈良市街を望むことができるため、地形的にはかなりバランスが良い。
視界は若草山より劣りますが、特徴として奈良市街の碁盤目が綺麗に望めるため、最も奈良市らしい夜景が望めます。
光量は若草山とほぼ同じですが、特徴や地形は若草山を圧倒的に上回っています。
最も奈良市らしい夜景と問われれば間違いなくこの高円山火床と答えるでしょう。

次は他の地域で有名な夜景スポットを評価してみました。

■ 久松山

久松山
視界:15  迫力:16  光量:14  特徴:15  地形:14  総評:74
鳥取市の最高峰である久松山(きゅうしょうざん)からは鳥取市内の夜景を望むことができます。
視界は途中で樹林に遮られているのが残念なところですが、それでも角度はそれなりにあるので迫力ある夜景といえます。
流れる千代川や鳥取砂丘から鳥取湾まで望めるのが特徴的で、大気が良ければ大山まで望むことができます。
光量は鳥取市街のほぼ全域が望めるためそこまで低いわけでもなく、夜景全体の地形もそれなりにいい感じです。
人口が少ない鳥取県ですが、山陰地方でこれほど特徴的で迫力ある夜景を望めるのはこの久松山だけでしょう。

■ 灰ヶ峰

灰ヶ峰
視界:11  迫力:13  光量:11  特徴:16  地形:12  総評:63
広島県で最も有名な夜景スポットの一つである灰ヶ峰は呉市の夜景が一望できます。
視界はあるものの夜景としての光がなく東西は真っ暗なので評価は低くなりました。
市街地までの距離があるので迫力はあまり感じなく、光量も呉市の中心部だけなので低い評価になりました。
ここは光のラインが呉という文字に見えるという特徴があるというのが唯一の見せ所でしょう。
特徴的な夜景という点を除けば評価はかなり低くなってしまいました。
ちなみに広島県には武田山や日浦山、岩谷観音など評価が高いと思われる山夜景があります。

■ 淡路ヶ峠

淡路ヶ峠
視界:17  迫力:16  光量:15  特徴:14  地形:13  総評:75
前回は四国の夜景を評価していませんでしたので、今回は四国トップクラスの夜景だと思われる淡路ヶ峠を評価してみました。
淡路ヶ峠の展望台からは松山市街のほぼ全域の夜景を一望することができて、解放感があって視界も広いです。
市街地までの距離も近くて角度もそれなりにあるため迫力を感じることのできる夜景といえます。
夜景全体の地形としては光が横に広がっているだけという感じですが、光量はそれなりにあるので見栄えは悪くありません。
道路のラインや付近の山々などを望むことができる最も松山市らしい特徴的な夜景といえるでしょう。

今回は有名な夜景スポットや変わった場所などの夜景を理論的に評価してみましたが、いかがだったでしょうか。 もっと厳しく評価するべきという意見があるかもしれませんが、私の記憶と当時に撮影したパノラマ写真や山から市街地までの距離や角度を計算して評価したものになっています。
ただし、評価が低い夜景だからといって感動しない夜景というわけではありません。人それぞれあらゆる視点から夜景を望むわけですので、感じ方も人それぞれ違うと思います。あくまでこの評価は理論値で算出してはじきだした総評の点数ですので、総評点数が低くても実際に見に行くと綺麗な夜景と感じる人もいるということです。

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