今回は2017年10月24日に創元社より出版された『山夜景をはじめて楽しむ人のための 関西ナイトハイキング』の選定から外された山夜景を紹介したいと思います。
夜景登山家の私と写真家の堀寿伸さんは多くの山夜景を撮影するために関西中の山をナイトハイキングしました。関西ナイトハイキングの書籍で選定された山夜景はその半分以下と言ってもいいでしょう。夜景の光量や特徴、交通アクセスなどを考慮して私が選定したものなのですが、正直「ここは紹介したかった」と悩みに悩んだ山夜景などもありました。今回、そういった残念ながらページ数の関係で選定から外された山夜景を公開したいと思います。
大阪府の山
六個山(箕面市)
箕面市にある六個山のわくわく展望台から見る大阪北部の夜景。登山ルートが閑静な住宅街であるのと隣の五月山を選定しましたので外しました。
国見山(枚方市)
京阪沿線の夜景を望むことができる国見山。JR津田駅から登山口までのアプローチが長いのと、電線が邪魔であること、隣の交野山が選定されていることから外しました。
高尾山(柏原市)
生駒の最南端にある柏原市の高尾山は登山ルートとしてのアクセスは良かったのですが、数か所の生駒山系の夜景を選定していましたので外しました。しかし八尾空港の滑走路が見えたり大和川もラインが特徴的で美しいトワイライト夜景を望むことができます。
奥山雨山自然公園 頂上展望台(岸和田市)
初心者向けの登山ルートで展望台からは大阪南部からりんくうタウンや関西国際空港などの夜景が一望できるのですが、市街地までの距離があるのと、大阪南部の夜景は岩湧山や銀の峰ハイキングコースの第一パノラマを選定していたので外しました。
京都府の山
釈迦岳見晴台(京都市西京区)
厳密には大阪府島本町に位置しているのですが、京都西山に位置する釈迦岳見晴台からは京都市街を一望できます。ただし市街地までは距離があるのと登山ルートが非常にわかりにくいこと、そして京都西山は小塩山を選定したので外しました。
日野岳 パノラマ岩(京都市伏見区)
京都伏見区にある日野岳のパノラマ岩からは伏見区や遠く大阪府の夜景が一望できる珍しい展望地といえます。光量も視界も申し分ないの夜景で西向きなのでトワイライト夜景は美しいです。しかしアプローチが大変なのとパノラマ岩までの登山ルートが非常にわかりにくいので選定から外しました。
姫髪山(福知山市)
丹波大文字といわれている姫髪山からは福知山市の夜景を望むことができます。この角度で福知山市の夜景を望めるのは非常に珍しいです。しかし火床は断崖絶壁のような斜面で滑落しそうな非常に危険な登山ルートになっているため選定から外しました。
滋賀県の山
猪子山(東近江市)
猪子山の山頂直下にある北向岩屋十一面観音の展望地からは彦根市から東近江市の夜景が一望できます。西向きなので夕方には美しいトワイライト夜景を望むことができます。滋賀県の車で行ける山夜景としてここを紹介するか非常に迷ったのですが、有名な八幡山や比叡山が優先されたのと、光量がいまひとつだったので選定から外しました。
鶴の里展望ポイント(大津市)
大津市の夜景を望むなら絶対的にこの鶴の里展望ポイントといえるでしょう。光量もあり視界も広く地形も特徴的な夜景なのですが、電線が邪魔なのとアプローチが非常にわかりにくく登山ルートも道標などがないこともあって選定から外しました。
逢坂山(大津市)
逢坂山の山頂付近にある展望地からは大津市や湖西側の夜景が一望できます。この角度から望める湖西側の夜景は珍しいといえます。アプローチが大変なのと登山道入口がわかりくく道標などがないこともあり選定から外しました。
追分鉄塔下(大津市)
逢坂山の中腹に位置する鉄塔「樫田線35番」からは山科区から京都、遠く大阪までの夜景を望むことができます。夜景の構図としてはかなりいいのですが、視界が狭いことや登山ルートが正規のものでなくアプローチも非常にわかりにくくアクセスしにくいため選定から外しました。
奈良県の山
大国見山(天理市)
天理市にある大国見山頂からは直下に天理教大教会本部が見え、天理市をはじめ奈良市、遠く大阪方面までの夜景が一望できます。隣の龍王山と非常によく似た構図の夜景であり、視界も少し狭かったため選定から外しました。
和歌山県の山
章魚頭姿山(和歌山市)
和歌浦にある高津子山展望台からは和歌浦港が直下に見え、和歌山市や海南市の夜景が大パノラマで一望できます。標高が低かったことや老朽化により展望台への立ち入りが禁止されたことから選定から外しました。
名草山(和歌山市)
名草山の山頂からは北は和歌山市街地から和歌浦方面、マリーナシティーまでの夜景が一望できます。書籍を出版してから訪れたということもありますが、登山ルートが非常にわかりにくく道標などもないことやアプローチが曖昧だったので選定しませんでした。
高尾山(田辺市)
和歌山県田辺市のシンボルとなっている高尾山の中腹にあるパラグライダー場からは田辺市の市街地を中心に関西でも観光地として有名な白浜のホテルや温泉街などの夜景が一望できます。アプローチが大変なことや光量が少ないこと、登山規制があることから選定から外しました。
兵庫県の山
満願寺西山(宝塚市)
大阪北部夜景と称する一つである中山連山の満願寺西山からは宝塚市から大阪北部の夜景を大パノラマで一望できます。岩場の上からなので解放感溢れる夜景です。登山ルートがひたすら急な岩場になっており滑落の危険性があるため選定から外しました。
中山・天宮塚(宝塚市)
大阪北部夜景と称する一つである中山・天宮塚の山頂手前の展望地からは大阪北部の夜景が一望できます。ここは選定リストに入れていたのですが、登山口が中山寺の中であり非常にわかりにくく、登山ルートもわかりにくいため、残念ながら選定から外しました。
行者山東観峰(宝塚市)
東六甲の行者山東観峰からは宝塚を中心とした大阪北部から南部にかけての夜景が一望できます。アプローチが大変であったのと近くにある西宮市の観音山と景観がかぶってしまうため選定から外しました。
ピラーロック(芦屋市)
六甲山の中腹にある風吹岩の直下にあるピラーロックからは芦屋から大阪の港を中心とした夜景が一望できます。夜間にロックガーデンでの岩場の下りが危険なのとピラーロックへの入口が非常にわかりにくいため選定から外しました。しかし、関西ナイトハイキング展では写真を展示しました。
升田山(加古川市)
平荘湖の南部に位置する升田山からは加古川市や高砂市などの迫力ある夜景が一望できます。夜景の構図としては申し分ないのですが、標高が100m程で低いことやアプローチや登山道が非常にわかりにくいため選定から外しました。
御旅山(姫路市)
姫路市の夜景の選定で一番悩んだのはこの御旅山と八丈岩山でした。御旅山からは姫路港から工場地帯、西部から北部にかけては姫路市街の夜景がほぼ360度の大パノラマで望むことができます。世界遺産である姫路城がよく見えるのが八丈岩山だったという理由とページ数の関係で残念ながら選定から外しました。
宮山(相生市)
相生市の夜景というのは最も珍しく、ページ数に余裕があれば間違いなく選定していたのがこの宮山でした。相生駅から市街地、那波港の独特の地形である夜景が一望できます。登山ルートが曖昧で光量が少なく標高も低いという理由により残念ながら選定から外しました。
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¥1,836 (税込)
著者:堀寿伸+松原了太
発行:創元社
刊行年月日:2017/10/24
ISBN:978-4-422-25081-6
判型:A5判 210mm × 148mm
造本:並製
頁数:136頁